「日本の夫婦の6割がセックスレス」
この数字を見た瞬間、私は震えました。私の周りにも、「もういいよね…」と目を逸らしてしまう夫婦や、本当は寂しいのに泣く泣く諦めている人が、あまりにも多かったからです。
でも、「相性が悪い」「愛情が冷めた」という個人の問題だと思っていたら、実はもっと大きな"情報の非対称性"が隠れていました。
日本では年間約3万5,000本ものAVが作られ、新人女優も毎年約5,000人デビューしています。コンテンツ量は世界トップクラス。
なのに、性教育は最小限。医療情報は専門的すぎる。ケア商品の利用率もまだまだ低い。パートナーとどう話せばいいかも共有されていない。
情報は山ほどあるのに、「本当に必要な人」に「本当に使える形」で届いていない。
この"埋まっていない間"を埋めたいと思いました。それが、ハトリリを立ち上げた理由です。
セックスレスは構造の問題
ハトリリのきっかけは、私自身のセックスレス経験でした。
最初に相談サービスを立ち上げた中で見えてきたのは、疲労や生活リズムのズレ、知識の絶対的な不足、「どう話せばいいかわからない」コミュニケーションの壁、AV由来の誤った期待値。これらが複合的に絡み合っている構造的な問題でした。
多くの人は「選択肢を知らない」だけで悩んでいます。医療に行くほどではない。友人には相談しづらい。検索しても極端な情報ばかり。
この"ちょうどいい間"を埋める場が、どうしても必要だと感じました。
AI時代でも、この領域は整理されていない
生成AIがどれだけ普及しても、性に関する情報は今も二極化しています。
刺激的なエンタメコンテンツか、医学論文レベルの難解な情報か。実生活で「これやってみよう」と思える、信頼できて実践的な情報が、圧倒的に足りない。
特に女性の快感や主体性については、体系化された情報がほとんどありません。結果、エンタメが事実上の"教科書"になってしまっている人も少なくない。
私は、性にまつわる情報を闇雲にオープンにしたいわけではありません。ただ、必要としている人に、安心できる距離感で、きちんと届けたい。
その"ちょうどいい翻訳者"になるのが、ハトリリの役割だと思っています。
NAOさんとの出会い
この領域で一番大事なのは「誰が言うか」。内容が正しくても、発信者に信頼がなければ届きません。
NAOさんとは、共通の知人の紹介で出会いました。彼女は専属女優として7年間第一線で活躍。存在確率で言えば約0.03%とも言われる、稀有なキャリアの持ち主です。
でも、私が心の底から惹かれたのは経歴ではありません。一貫して「性にまつわる啓蒙をしたい」「女性の内側からの生きる力を底上げしたい」という強い意思を持ち続けていたこと。
教員免許を持ち、保健体育の実習も経験。パーソナルトレーナーとして身体を科学的に研究し、女優時代に「感覚」ではなく「観察と分析」で積み上げてきたノウハウの量が異常です。
今年、NAOさんは女優として卒業を決めました。プレイヤーから、伝える側へ。
NAOさんの思いを聞いた瞬間、私は心の中で「これだ」と思いました。私がずっと抱えてきた「情報の非対称性」という課題に、これ以上ないほどぴったり合致したと感じたからです。そこから「ホットネス」を共同で推進することになりました。
性は、生活の質そのもの
性はセンシティブです。でも「心が生きる」と書いて「性」と読むように、人生の質に直結する領域だと私は思っています。
痛みがあるのに「普通だ」と思い込んでいる。乾燥や違和感を「年齢のせい」にしている。ケアアイテムという選択肢を知らない。パートナーとどう話せばいいかわからず、距離が固定化する。
こうした状態は、ほとんどが「知識と選択肢の不足」から生まれています。
正しい情報が届けば、医療に相談する勇気が出る。自分に合ったケアアイテムを選べる。パートナーと具体的に話せる。自分の体の変化を理解できる。
「仕方ない」が「選べる」に変わる。私は、それを"心が生きる"状態だと信じています。
ハトリリの現在地と、これから
NAOさんとともに運営するYouTubeチャンネル「Hotness」は、昨年9月の開始から約5ヶ月で登録者7万人目前、総合再生回数は3,500万回になりました。
「これまで人に聞けなかったことを知れて嬉しい」「やっと安心して学べる場所に出会えた」「他では話せなかった性の悩みを相談できた」
そんな声や、他では打ち明けられない性にまつわる女性からのお悩み相談が、日々寄せられています。
ハトリリは、この領域の"翻訳者兼設計者"として、情報の非対称性を減らしていきます。
「仕方ない」を「選べる」世の中に変えていきたいです。